JR「三ノ宮駅」より徒歩3分|内科・泌尿器科・整形外科・リハビリテーション科

internal medicine

内科

 

総合内科

 近年、人口の高齢化に伴い、一人の患者さんが複数の疾患を有することがしばしばあります。一般内科では、生活習慣病などの一般的な内科疾患の診療や、臓器別診療とは異なる臓器・疾患に縛られることなく内科疾患全般への基本的な治療や初期対応を行っています。
 また、専門治療・急性期治療を主とする基幹病院・大学病院や救急病院を連携するネットワークの基盤としての役割も担っています。
 外来では、近隣地域にお住いの患者さんや同じく近隣地域の開業医の先生よりご相談をいただいた患者さんの診察、日々の体調管理、健康相談、高血圧・糖尿病・脂質異常などの生活習慣病の診療、健康診断の二次検査(血液検査・超音波検査・CT検査など)をお受けしております。また、どの診療科を受診するのかわからない場合、その初期対応から専門医・基幹病院への紹介や、概ね専門的な治療が済んだものの、引き続き通院フォローが必要な患者さんの健康管理なども行っております。経過観察中に、より専門的な、高度な診療や治療が必要な場合は基幹病院・大学病院・救急病院などに紹介しより良い医療を受けられるように連携しております。
 入院では、ご高齢の患者さんで、自宅療養が困難な場合の治療・療養入院、急性期医療機関での初期治療が終了し、次の段階の入院が必要な患者さんの治療・リハビリを引き続き継続させる入院をお受けしております。また、終末期の患者さんで在宅医療が厳しい状況にある方々への医療・療養も行っています。
 同じ病気にかかっていても、その病気を持たれる患者さんは一人ひとり異なります。医療とは病気を単に治療するのではなく、その病気を持った患者さんを治療することが重要だと考えて医療に取り組んでいます。
当院で行う主な検査

胸部X線検査
咳・痰が出る、息苦しい、胸が苦しいなどの訴えがある場合には、必ず行います。もっとも簡単な検査方法で、肺や心臓などの病気に関する様々な情報を得ることが出来ます。

心電図検査
心電図検査は、心臓が血液を全身に循環させるために拍動を繰り返しますが、そのときに生じる微弱な活動電流の変化を波形として記録し、その乱れから病気の兆候を読み取ろうとするものです。比較的簡単に行えることから、よく行われる検査です。心臓の働き具合を見ることが出来、心臓病の早期発見と予防につながる基本的な検査であり、心臓病の診断に役立つ様々な情報を得ることができます。
一般的な心電図は安静状態で測定しますが、必要に応じて、体を動かして測定する運動負荷心電図や、自宅で通常の生活をしながら測定するホルター心電図などがあります。

心臓超音波検査
心臓超音波検査(心エコー)とは、人の耳には聞こえないほどの高い周波数の超音波を心臓に当てて、はね返ってくるエコー(反射波)を受診することで、心臓の像を写し出します。これにより、心臓の大きさ、形、心臓の壁の厚さ、動き方がわかります。
また、カラードップラー法を用いる場合には、心臓の血流の向きや速度などを観測することが出来ます。

頸動脈超音波検査(頸動脈エコー)
頸動脈とは、脳に血液を送る首の血管で、動脈の中でも比較的太い血管で、体表から浅いところ走っています。そのため、この検査は、頸動脈の状態や血流を観察し、動脈硬化の程度を直接見ることができる検査です。
動脈硬化は老化現象の一つでもありますので,健康な成人でも徐々に動脈硬化は進行します。血管に動脈硬化が起こっていると、血管の内中膜と呼ばれる部分が肥厚してきます。
また、進行した動脈硬化では血管の内腔が狭くなってきます。このような血管の様子を頸動脈エコーで観察します。頸動脈の病変は高血圧や高脂血症、喫煙習慣、糖尿病といった危険因子と強く関連することが明らかになっています。

腹部超音波検査(腹部エコー)
主に肝臓、胆のう、すい臓、ひ臓、腎臓などの腹部に存在する臓器に異常がないかをみます。(膀胱に尿が溜まっているなど)条件がよければ子宮、卵巣、膀胱、前立腺も観察できます。結石の有無、腫瘍の有無など、各臓器の疾患を見つけることが出来ます。

肺機能検査
スパイロメーターという計測器を用い、肺に吸い込むことの出来る空気の量と、吐き出す力を調べます。人間ドックや全身麻酔を必要とする術前検査のひとつとして検査することもあります。鼻をノーズクリップで止め口にマウスピースをくわえて、掛け声に合わせて息を吸ったり吐いたりします。肺の病気の診断、重症度などを調べるのに役立ち、気管支喘息の診断にも重要な検査です。

上部消化管造影検査(胃透視)
上部消化管検査(胃透視)では、食道と胃、十二指腸を検査します。この検査では、造影剤(バリウム)を食道や胃の壁に付着させ、エックス線がバリウムに吸収されて画面上で白く写り、胃の形や粘膜の状態が観察できるようになります。さらに、発泡剤を飲むことにより胃を風船のように膨らませて、食道や胃の内側の壁の細かい状態を観察し撮影します。
胃全体の形や大きさ・粘膜の状態(ポリープ・潰瘍・がん)などの位置関係や病巣の深さ(進達度)などが分かります。胃炎や潰瘍、胃がんでは胃壁が荒れたりしますので、正常の胃壁とは異なったバリウムの付着具合を観察できます。また、ポリープなどの隆起性病変はバリウムがうまく付着せず丸く黒いリング状に写し出されますので良く観察できます。

上部消化管内視鏡検査
上部消化管(食道・胃・十二指腸)に発生した潰瘍、炎症、腫瘍、ポリープなどを診断するために行います。消化管の内腔を覆う粘膜の変化を観察しますが、その際に、組織検査(顕微鏡で細胞を確認する)のため病変の一部を摘み取ってくることがあります(生検といいます)。その摘み取った粘膜を顕微鏡により観察し、粘膜を構成する細胞の性格がよいか(良性)、悪いか(悪性=がん)を判定することが主な目的となります。つまり、微少ながんを早期に発見することができる検査です。
この他、治療としては、主に食道や胃に生じた早期癌やポリープを内視鏡を用いて切除します。方法はポリペクトミー、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)に分けられます。従来手術が必要だった早期癌も、身体に負担の少ない内視鏡治療により切除が可能となりました。
最近では、細径内視鏡を用いた経鼻内視鏡検査(鼻から入れる内視鏡)が普及しています。

下部消化管造影検査(注腸造影)
下部消化管造影検査(注腸造影)は、上部消化管造影検査同様に、おもに大腸を観察するレントゲン検査です。検査はまず肛門に細い管を挿入し、造影剤(バリウム)と空気を注入します。注入したバリウムは、できるだけ大腸粘膜表面全体に付着させることができるよう、体を回転させ、その後、レントゲン写真を撮影します。
上部消化管造影と同様、注腸造影のおもな役割は、大腸内腔の病変を発見することや、腸の形態を把握することです。

下部消化管内視鏡検査(大腸内視鏡検査)
大腸内視鏡検査とは、肛門から内視鏡を挿入して大腸(結腸と直腸)と小腸の一部を観察する検査です。便潜血陽性の際の大腸の検査や大腸ポリープの経過観察、炎症性腸疾患の内視鏡による診断の他、組織の一部をとって調べたり(生検)、ポリープや早期大腸がんを内視鏡的にポリープ切除術(ポリペクトミー)や内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などで切除することもできます。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)について

 ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした細菌です。ピロリ菌の発見以来、さまざまな研究から、ピロリ菌が胃炎や胃潰瘍などの胃の病気に深く関っていることが明らかになってきました。
 そもそも、胃の中には食べ物の消化を助け、食べ物の腐敗を防ぐために、胃液が分泌されています。胃液には、金属でも溶かしてしまう強い酸(塩酸)が含まれており、胃の中は強い酸性のため、通常の菌は生息できません。そのため、昔から胃には細菌はいないと考えられていました。
 しかし、ピロリ菌は、「ウレアーゼ」という酵素を出すことにより、胃の中で生息することが出来ます。この酵素は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだします。アンモニアはアルカリ性なので、ピロリ菌のまわりの胃酸が中和され、生息できるのです。
 胃の不快感が繰り返すとき、慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍などの病気が疑われます。胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の患者さんで特に再発をくり返すときは、ピロリ菌に感染していることが多く、慢性胃炎の発症の原因や、潰瘍の再発に関係していることが、わかっています。また、ピロリ菌に感染すると、ピロリ菌がつくりだす酵素ウレアーゼと胃の中の尿素が反応して発生するアンモニアなどによって直接胃の粘膜が傷つけられたり、ピロリ菌から胃を守ろうとするための生体防御反応である免疫反応により胃の粘膜に炎症が起こります。ピロリ菌に感染している状態が長くつづくことで、さまざまな病気を引き起こす可能性もあります。
 このピロリ菌は「除菌療法」で退治することができます。