JR「三ノ宮駅」より徒歩3分|内科・泌尿器科・整形外科・リハビリテーション科

urology

泌尿器科

 

泌尿器科で診る主な病気:診断と治療

1.尿路感染症

尿路感染症は尿道口から細菌が膀胱内に進入することで生じます。男性に比べて尿道の短い女性に起きやすいと病気です。感染が膀胱の中で留まっているものは膀胱炎、細菌が膀胱からさらに腎臓まで進入すると腎盂腎炎を起こします。また、尿道炎は男性に多く、性感染症に伴うものが殆どです。尿路感染は尿の中に細菌がいることを確認することで診断します。

症状:発熱、腰背部痛、頻尿、排尿時痛、血尿など
治療:抗菌薬の投与

2.尿路結石症

腎臓、尿管、膀胱、尿道に結石があることでおしっこの出が悪くなり、水腎症を引き起こすために急激な痛みを伴うことが多くあります。中年男性に多く、腎臓結石と尿管結石を「上部尿路結石」、膀胱結石と前立腺結石を「下部尿路結石」といい、日本人の場合上部尿路結石が大半を占めています。

症状:側腹部痛、下腹部痛、血尿、頻尿など
治療:結石の大きさが小さい場合は、経過観察により自然排石を待ちます。
 大きな結石の場合は、以下の手術となります。
  1. 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
    対外衝撃波破砕装置により衝撃波を体内の結石に照射して破砕するものです。結石に対して衝撃波を繰り返して当てることで結石は砕けて砂状になり、尿と一緒に排泄されます。開腹手術ではありません。手術時間は90分前後です。当院では、原則、日帰り手術で行っておりますので、翌日から普段の生活や職場への復帰が可能となります。
  2. 経尿道的結石除去術(TUL)
    尿道から 細い内視鏡を入れて尿管または腎臓の結石を圧縮空気破砕装置やレーザー砕石装置などを用いて砕石します。破砕された結石片は、手術中に体外に取り出すことができます。治療効果が高い手術であり、結石の大きさにより選択されます。入院期間は、数日〜1週間程度になります。
  3. 経皮的結石除去術(PNL)
    背中に小さな穴を開け、その穴から内視鏡を入れ、腎臓の結石を砕石、取り出す治療です。TULとの違いは、比較的大きな腎結石に対して行われることが多い手術です。破砕した結石片は、比較的短時間で体外に取り出すことができます。反面、腎臓に穴をあけるので出血のリスクもあります。入院期間は、1~2 週間程度になります。

3.前立腺肥大症

前立腺肥大症とは、文字通り前立腺が肥大して、様々な排尿の症状を引き起こす病気です。前立腺が肥大する原因はわかっていませんが、男性ホルモンなどの性ホルモン環境の変化が関与すると言われています。前立腺肥大症を発症する明らかな危険因子は加齢ですが、その他に遺伝的要因、食生活、肥満、高血圧、高血糖、脂質異常などがあげられます。前立腺は直腸と恥骨の間にあり、膀胱の出口で尿道を取り囲んでいます。このため、前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わるいろいろな症状が出現します。

症状:排尿困難症状(おしっこが出にくい)、蓄尿症状(頻尿)、排尿後症状(残尿感がある)
治療:薬物療法
 手術療法(経尿道的前立腺切除術・前立腺蒸散術・前立腺核出術など)

4.主な泌尿器がん

(1)膀胱がん
尿をためる膀胱にできたがんが膀胱がんです。50歳以上の比較的年齢の高い方に多くみられます。男性の方が女性より多くみられます。肉眼的血尿で発見されることが多いですが、尿検査を行わないとわからない血尿もあります。時に排尿時の痛み、排尿回数の増加など膀胱炎のような症状から膀胱がんがみつかることもあります。がんの状態によって治療法(手術法)が異なります。

症状:血尿、膀胱炎様症状
治療:経尿道的膀胱切除術、膀胱全摘除術

(2)前立腺がん
前立腺にできるがんですが、元々欧米で大変多い病気でしたが、近年、日本でも急増しています。早期の段階では、症状は殆どありません。進行してくると血尿が見られたり、骨やリンパ節に転移しやすく、骨に転移した場合は、その部分の痛みを生じることがあります。
PSA(前立腺腫瘍マーカー)により、早期発見が可能となり、健診で指摘を受けて発見されることが多くなっています。

症状:早期の場合無症状、排尿障害、進行がんの場合、骨転移部位の疼痛
治療:薬物療法(内分泌療法)・放射線療法・手術療法
 がんの悪性度、広がり、転移状況などにより治療法は異なります。

(3)腎がん
腎臓の実質から発生したがんを腎がんといいます。10万人当たりの発生率では、女性3名、男性7名となり、40歳以上に発生しやすく、60歳台に最も多い腫瘍です。

症状:早期では無症状、進行してくると、血尿・腹部のしこり・わき腹の痛み等があります。
治療:治療の第一選択は手術療法(根治的腎切除術、腎部分切除術)
 手術でがんをすべて除去できなかった場合、再発した場合、インターフェロン療法、分子標的治療などがあります。

5.排尿障害

排尿を開始してからすぐに出なかったり、終了まで時間がかかったりして、スムーズな排尿に支障をきたす、また、排尿の後も出きった感じがしなく、すっきりしない残尿感など排尿困難の症状のとなります。
加齢による機能の変化、妊娠・出産による骨盤底筋のゆるみ、薬剤の副作用による影響、泌尿器系疾患(子宮筋腫や前立腺肥大症、前立腺がん、尿道狭窄症、尿道結石・尿管結石、子宮脱・膀胱脱)によって排尿困難が起こることも少なくありません。また、排尿を促す自律神経に障害が起こると排尿困難が生じることがあります。

症状:排尿困難症状(おしっこが出にくい)、蓄尿症状(頻尿)、排尿後症状(残尿感がある)
治療:主には、排尿障害の原因疾患による薬物療法がおこなわれます。